イメージ画像
(仲卸業)
当社は魚の仲卸業を営んでいる会社、社員数は16人。売上は年間約5億円で借入は8000万円。一見すると悪くない経営のようにみえるようですが、実際には債務超過。お金が足りなくなっては借入をして、儲かったらその時返すというその場しのぎの経営をしていました。
私が会長になって息子が家業を継いだばかりの頃、とうとう行き詰って、経理担当の妻が「今月は乗り切れない」とコンサルタントに相談しました。
経営を見直すときは、まず支出をどう抑えるか、そして、新たな事業計画をどう立てるかが重要とのこと。ただ「言うは易し」で、会社にはそれぞれ事情というものがあるということもコンサルタントは理解くださっていたようです。
息子の投げやりな印象からか、借金のある家業を継ぐのに乗り気ではない様子に気づいたコンサルタントは、息子を昼食に連れ出したようです。
昼食を食べながら、「なんとかやっていこう。どんな会社にしたいの?」とコンサルタントに問いかけられたそうです。息子は「給与をきちんと支払いできる会社にしたい」と言い、最後は泣きながら話しましたとのこと。
一方、会長である私は昔堅気な性格とでもいいますか、儲けるということに関してはあまり意識をもっていなかったということを反省することになりました。
必要なのは、しっかり利益を確保する経営方針とコンサルタントにも言われました。
無駄を削り、毎月毎月資金繰り表とにらめっこし、決して安売りはしない、ということに取組みました。
それを1年間続けた結果、売上は5億円から3億円に減りましたが、経常利益は2000万円を超える業績を上げることができました。これには金融機関もびっくりしていました。
その後の経営改善のために返済額も大幅に下げてもらう交渉に成功して、経営も軌道に乗っています。