わが社は岡山県で運送業を営んでいて社員が12人のアットホームな会社です。業績は毎月収支がトントンで、悪い時は赤字。経理は妻が担当しており、赤字のたびに金融機関から借り入れを行い、儲かった時にお返しするという、行ったり来たりの状態でなんとかやってきました。
しかし、ついに資金繰りに行き詰り、事業再生コンサルタントに相談に伺いました。経営状態を確認してもらうと、やはり借入返済を含めた毎月の支出が非常に苦しい状態と理解されました。「金融機関への返済が毎月60万~70万円程あるのを、10万円くらいまで下げる」というのが、コンサルタントのアドバイスでした。
そのためには、金融機関との交渉が必要です。これには私ども夫婦にも葛藤がありました。経営者としては、「お世話になっている金融機関には弱みをみせたくない」「言うことを全て聞かなければならない」と思いがあります。また、返済をリスケジュールすると前科になるというような気持ちもありました。しかし、コンサルタントと話して、それは過剰な思い込みかもしれないと、柔軟に捉えられるようになりました。
もちろん、借りたものは返さなければならないのは確かですが、金融機関もしっかりとした返済プランにのっとって計画通りに返済していただければ、また業績がよくなれば融資したいと思っているはずだと励まされました。
改めて返済プランを立て直し、そしてそれを元にメインバンクを含めて金融機関に返済額の見直しをお願いして回りました。1件目と2件目はコンサルタントが交渉。勝手が分かってきたので、3件目は社長である私自身が交渉して承諾いただきました。
経理担当の妻からは、感謝の言葉と涙が。